新芸術校6期のこと

 
こんにちは、メカラウロコです。8/30に黒瀬氏とカオスラウンジに有志の一人として公開質問状を送付したことを踏まえ、拙い言葉かつ内輪的な話ではありますが、ずっと胸の内にしまっていた新芸術校への感謝の思いを書くことにしました。
私は株式会社ゲンロンのゲンロン新芸術校第6期という、現代美術を学ぶ私塾に入校してから人生が変わりました。日々の行動も考え方も趣味も大きく変わったと感じています。
 

新芸術校に入った経緯

私はもともと大学で経営学を学び、会社員として企業に勤めていました。そのころは美術とは無縁の生活を送っており、「作品は美術館にある」程度のことしか知りませんでした。美術館に行ったのも両手で数えられるほどだったと記憶しています。作家が個展やグループ展を開催するとか、美術手帖、Tokyo Art Beatといった美術メディアがあるとか、そういった知識も恥ずかしながらありませんでした。
3年前、ご縁があってフェミニズムや現代美術に関心を持ちはじめた時期に、パートナーがたまたま新芸術校という名前を知っていたこと、高校の選択美術の先生が「教え子のお姉さんが美術大学に通っている」というので連絡先を教えてもらい、その方にも新芸術校をお勧めいただいたことから、右も左も分からないけれど、とにかく美術を知りたい、作ってみたいという一心で新芸術校に入りました。
 

新芸術校での経験

経緯は他のサイト(※1)に掲載されているので省きますが、生徒に経緯等の連絡がないまま、突如生徒と運営間の連絡手段であったslack、メーリングリストから抜けて講師・運営等の職を退いた旧主任講師に代わり、株式会社ゲンロンの上田さん、スタッフのみなさん、講師の方々は当時混乱や不安な状況にいた生徒に対してできる限り不安を取り除き、学業に集中できるように環境を整備してくださいました。株式会社ゲンロンだけでも、カリキュラムや運営体制の再考、関係者各位への謝罪、講師の新規依頼、生徒からの質問・相談へのレスポンス、一部返金、そのほか生徒の見えないところで多くの対応を行っていただいていたように思います。
本来のカリキュラムが具体的にどういうものだったのか、詳細までは分からないですが、入校時にサイトに記載されていた「現代美術の現場を見学し、作品や展示について理解を深めるツアー授業」は開催されませんでした。
制作グループが一緒だった友人や講師、スタッフの方々とは、倉庫に積まれた誰のものか分からず捨てるわけにもいかない作品や機材を整理し、床や壁に付着したペンキの汚れを時間をかけて掃除しました。また、講師の方々や友人には多くの時間をかけてあらゆる相談に乗っていただきました。そうした日々の中で見えた講師やみなさんの言動から、作家としての責任や姿勢を知ることができました。
新芸術校のおかげで私は作品を作る楽しさや難しさ、人の作品を観る楽しさを学びました。あの時、新芸術校が途中でなくなっていたら、美術に対して希望を見出せず作品を作ることもなかったかもしれません。
このような経緯から、ゲンロンや講師の方々には今でも恩義を感じています。今でも作品制作や作家としてのあり方に悩んだときは、新芸術校で学んだことを指針にしています。
まだまだ自分自身や作品には未熟な部分が多く、学んだことを活かしきれていないかもしれませんが、あの時生徒を見捨てず丁寧に向き合ってくださった方々がいたということに改めて感謝の気持ちを残したいと思いこの文書を書きました。当時関わってくださった皆様、本当にありがとうございました。またどこかで何か一緒にできる日を夢見て、前を向いて生きていきます。
 
 
2020年5月 4月に新芸術校に入り、3DCGを学び始めたころに作ったドローイング作品↓
 
2021年4月 卒業展示で作った作品↓
 
 
 
 
(※1)